〜安全に走っていただくために“自転車ツーキニスト”疋田智氏からのお願い(一部編集)

 

■1.左側通行

 まず断然一番目にお願いしたいのは“左側通行”だ。これはもう厳守。絶対の鉄則である。

 車道、歩道は、この際、問わない。本来は車道左端が望ましいし、そちらの方がはるかにスムーズかつセーフティなんだが、車道通行に慣れない人も多いだろうし、「歩道が安心」という悪しきイメージは、なかなか抜けない(それがどんなに間違っているとしても)。

 だから、今はまだ、車道と歩道については、道路状況に応じて、臨機応変に選んでいただいて構わないと思う。しかし「左」だけは守る。

 この左側通行の遵守だけで、自転車のリスクは半減できるはずだ。そして、現在、R-246などで起きているカオス(混沌)も、かなりの部分、回避できるはずなのだ。繰り返し強調しておこう。自転車は何としても左側通行。これだけは是非、心よりお願いしたい。

これはそのまま混乱回避に繋がる行為であり、巡り巡って、東北の方々を助ける行為であるとさえ思う。

 

■2.信号を守る

 何を当たり前のことを、といわれるかも知れないが、思いの外、守られていないのがこれだ。自転車は歩行者と似たようなもの、というイメージが抜けないのだ。

 信号遵守。当たり前だが、これまた鉄則である。

 あと、二段階右折も守ろう。これも法律でそう決まっている。

 

■3.飲酒運転をしない

 これまた当然のことではあるんだが、自転車も飲酒運転はダメだ。飲んだら乗ってはならない。ときどき地方に行くと「(クルマの)酔っぱらい運転はダメだから、自転車にしたよ」などという人がいるが、まったくの誤認識である。

 自転車であっても、飲酒運転は道交法違反だし(完全に赤切符)、なにより危険だ。

 首都圏がこれから自転車で過密状態になることが予想できる今、飲酒自転車運転に、寛容になってはならないと思う。

 

■4.夜間無灯火をしない

 これは思いの外重要で、夜間無灯火こそが、夜の事故の主因となっている。

 乗っている自分は見えているつもりでも、他者から自転車が見えない。自転車灯火の意味とは、他者から認識してもらうのが一番手、自分の道を照らすのは二番手、なのである。

 現在は電池式の明るいLEDライトが、非常に安く出回っている。これならばペダルも重くならない。エネループなどの充電バッテリーと併用すれば、ランニングコストなど、ほぼゼロだ。

 他にも傘差しや2人乗りなど、色々あるけれど「最低限、少なくとも」という意味ではこの4つ。是非ともよろしくお願いしたいものだ。この4項だけで、現在の自転車状況はかなり改善できる。

 

■5.歩道はあくまで歩行者優先、その上で徐行

 特に慣れていない人にとっては、道路状況などやむを得ない事情で、歩道を走らざるを得ないこともあるだろう。しかし、その際は決してスピードを出してはならない。暴走などもってのほかで、歩道はあくまで「走らせてもらっている」立場なのだ。

 歩行者にドケドケとばかりベルを鳴らす、なんてのも論外だろう。

 追い抜く時は「すいません」と声を掛ける。何かあったら即座に停まれるようなスピードを保つ。

 歩道には、お年寄りや、子供、ベビーカー、車椅子、白い杖など、多数の交通弱者が存在する。決して彼らの安全を脅かすようなことがあってはならない。

 

■それともうひとつ

 交差点ではどうするか? 車道の左端ってどこのこと? どう走ればいいの? と、自転車の車道走行ルールについて、様々な質問も戴く。

 それぞれ場合分けをして、詳しく述べていったりすると、極端な話「自転車の安全鉄則」などという一冊の本ができてしまうわけで、分かりやすく、一言でいおう。

 

「自転車の車道でのルールは、原付とほぼ同じである」

 つまり原付バイク(←考えてみればヘンな言い方)でやってはならないことは、自転車でもやってはならないということだ。

 周囲に聞かれたらこう答えて欲しい。「原付バイクで考えてみれば、逆走や信号無視、傘差し運転ほか、“ダメ”なのは当たり前でしょ。自転車でも同じよ」と。